ロハスクラブ
トータルな住まいづくりを目指す、「グリーンブリーズ」。
ロハスクラブ評議会ミーティングには、YKK APが登場。建築設計と外構設計がバラバラだった住宅設計を、ドラスティックに解決するプランをリポートしました!
上/YKK APでは「環境改善提案」として、エコな暮らし方をイメージしやすいかたちで提案している。下右/採光・通風をコントロールしながらプライバシーを守る。下中/植物に覆われたテラス空間。下左/風を取り込むフルオープンの窓。


 「エコ住宅を実現するためには、窓のエコ性能を向上させることはもちろん、インテリアやエクステリアの設計まで含めた、敷地全体のトータルな住まいづくりが必要です」と話すのは、YKK AP事業本部商品企画部の渡辺賢哉さん。従来、住まいを建てるとき、住宅の建物はハウスメーカーや工務店が設計し、フェンスや門扉、カーポートなどの建材や庭の植栽などは外構業者(造園業者)と、それぞれ異なる業者の設計者が担当していたため、一戸の住まいとしての融合が図られていないのが実情だった。その障壁を取り払うためにも、YKK APでは、敷地空間に広がりを持たせつつ、窓の効用を最大限に活かした、快適でエコな住宅設計をハウスメーカーなどに提案している。

 その提案の柱となるのが、風と光が織り成す「グリーンブリーズ」。窓を開放し、自然の風や光を積極的に取り入れることによって、健康で心地よい暮らしを実現し、環境負荷も抑えることができるという考え方だ。大型ルーバーで夏の暑い日射を遮蔽したり、保水性のあるタイルに水を含ませ、その気化熱を利用した爽やかな風を住戸内に呼び込むなど、窓につながるエクステリアにまで工夫を施すという、快適で省エネな暮らしを提案する。

 「エコ住宅を実現するには、住まう家族への生活提案も不可欠。エクステリアを意識した住まいづくりを行うことで、窓を心地よく開けられる生活をお届けします」と、商品企画部グループ長の井本響さんも、風や光の「通り道」を考えた窓やエクステリアのレイアウトを説明した。

 また、YKK APでは、生活者のより高い満足を実現し、信頼を得るために、「窓のトレーサビリティ」も強化。窓にシリアルナンバーをつけることで、万が一、設置した窓に支障が生じた場合にでも、迅速で適切なフォローを行う。このシステムの事業化も、生活者の視点に立った確かな窓づくりの一環として取り組みが始まっている。

 講師としてレクチャーしたのは、バードライフ・アジア副代表の鈴江恵子さん。今回はとくに、企業活動と生物多様性の関係についてのレクチャーを行った。「今、企業からの関心が高まっている『生物多様性オフセット』とは、企業活動による動植物が生息する環境への負荷を相殺、あるいはプラスに転じさせるシステムです。ただ、10ヘクタール開発したからどこかの熱帯雨林を10ヘクタール保全すればいいという単純なものではなく、重要な場所は開発を避け、開発場所では可能な限り負荷を減らし、ダメージを与えた場所は修復し、それでも残った負荷をオフセットするという手順を踏むことが重要です」と説明。昨年実施した、パナソニックに対する意見提案を例に挙げながら、企業と生物多様性の新たな関わり方を提示した。

上右/環境省の国民運動「朝チャレ!」の説明を行う、環境省地球環境局地球温暖化対策課国民生活対策室長の植田明浩さん。上中/バードライフ・アジアの鈴江さん。上左/YKK APの渡辺さん。下/会場は東京ミッドタウンの「d-labo」。


今月のDATA
夏は69.3%、冬は51.0%。窓から熱がすり抜けている!

夏は69.3%、冬は51.0%。窓から熱がすり抜けている!
YKK APでは、窓を開放して自然の光と風を取り入れる暮らし「グリーンブリーズ」を提案する一方、窓を閉めている時間にはしっかりと断熱するためのエコ・リフォームも実施。というのも、窓(開口部)から流入、流出する熱は、屋根や外壁よりもはるかに大きな割合を占めるから。夏の冷房時、屋外からの熱の流入は69.3%、冬の暖房時は、屋内からの熱の流出は51.0%にもなる。冷暖房時における窓からの熱の損失は見過ごせない。新築時に断熱性能の高い窓を設置すること、あるいは、既存の窓にエコ・リフォームを施して断熱性能を向上させることが、エコ住宅の大きなポイントとなるのだ。「住宅エコポイント制度」を活用してリフォームするのもおすすめ。

Copyright (C) LOHAS CLUB. All Rights Reserved.