ロハスクラブ
J-VERを購入して、日本の森林を元気に!
2008年に環境省が創設した「J-VER」は、国内版のCO2排出権取引を推進する制度。モア・トゥリーズの水谷伸吉さんが、その価値を語る。
上/新潟市秋葉区の「モア・トゥリーズの森」。J-VERにも登録。下右/切り捨て間伐ではなく間伐材の活用が求められている。下左/四万十ヒノキを使用した棺。火葬によって排出されるCO2を四万十の森でオフセット。

 健全な森づくりとカーボン・オフセットの普及に努めるモア・トゥリーズ。国内8か所、海外1か所の「モア・トゥリーズの森」を整備し、間伐を中心とした森づくりを地元の森林組合とともに進めている。

 モア・トゥリーズは、08年11月に環境省が創設した「J-VER(オフセット・クレジット)」の販売窓口でもある。J-VERとは、国内の排出削減量・吸収量を信頼性の高いクレジットとして認証する制度。従来のカーボン・オフセットは京都メカニズムにもとづいて海外の排出削減量・吸収量を使っているが、国民に関心の高い国内プロジェクトによって発行されたJ-VERを活用することで、企業・団体はよりわかりやすく環境貢献に取り組めるようになった。

 事務局長の水谷伸吉さんは、「地球規模でのCO2削減という意味では海外の排出権の利用も必要ですが、国内でのより身近なCO2削減を実感していただけ、中山間地域の産業や雇用の創出も期待できるという点において、J-VERの利用価値は大きいはずです」と話す。

 J-VERを利用したカーボン・オフセットに取り組む企業は年々増加している。09年には、評議会メンバーでもあるANAが、モア・トゥリーズと提携して「ANAカーボン・オフセットプログラム」を導入。オフセット料金は、宮崎県の森の保全に役立てられている。「J-VERを販売したお金の使途を公開し、企業や消費者に納得していただきながら、普及に取り組んでいきたいです」と、水谷さんは発表を終えた。

 加えて、水谷さんは、東日本大震災の被災地である岩手県を訪れたことを報告した。訪れた目的は、仮設住宅の建設支援だ。支援先は、住田町。林業が盛んな内陸のまちで、地震や津波のダメージは少ない。地域材を使った木造仮設住宅の建設がすでに町主導で始まっていたという。

「地元の木材を使った、地元の工務店による、ペレットストーブ付きの仮設住宅の建設を支援できれば。灯油ではなく、住田町産のペレットを暖房に使えば、エネルギーの地産地消にもつながりますから」と、評議会メンバーにも賛同を呼びかけた。

 その後、ロハスクラブ事務局から「第6回ロハスデザイン大賞2011新宿御苑展」について、5月20日(金)から22日(日)の開催が正式に決定したことを報告。「新宿御苑で元気になる。子どもたちに笑顔を!」をテーマに、被災地への支援物資を持ち寄る場としても開放する。

上右/積水ハウス広告宣伝部東京オフィス主任の五百部恵作さん。上中/「都市と森林のマッチングに力を入れたい」と語る、環境省地球環境局地球温暖化対策課市場メカニズム室室長補佐の吉野議章さん。上左/J-VERの必要性を説く、モア・トゥリーズの水谷さん。下右/東京ミッドタウンの「d-labo」で開催。


今月のDATA
J-VERのCO2認証量は約4万トン!

J-VERのCO2認証量は約4万トン!
J-VERの対象プロジェクトは、「化石燃料から未利用の木質バイオマスへのボイラー燃料代替」といった排出削減系と、「森林経営活動によるCO2吸収量の増大(間伐促進型プロジェクト)」などの森林吸収系など合わせて28種類あり、プロジェクト登録件数は累計75件。認証量は、3万9493トンになっている。地域別では、北海道、四国、東北が多いようだ。気になるのは取引価格だが、森林吸収系のJ-VERでは1トン当たり9733円(売り気配値と買い気配値の平均値)。海外の排出権の取引価格が1500円〜2000円程度で推移しているのに対し、数倍の価格だ。「企業が安心して購入できる価格帯となる配慮も必要」と、水谷さんは言う。


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