ロハスクラブ
日本の優れた環境技術をオールジャパンで海外へ!
環境インフラの輸出こそ、産業の成長に必要な戦略。中国での廃プラスチックのリサイクル事業や、途上国での二国間クレジット制度の可能性を紹介。
上/整備が進む「天津子牙循環経済産業区」。ここに高度なマテリアルリサイクルが可能なモデル工場を立ち上げ、工業団地への発展を目指す。下右/ワーカー用住宅も完備。下中/循環経済産業区内にある管理棟。下左/ケニアのマサイマラ国立保護区に立つムパタ・サファリ・クラブ。

 2011年8月に「日本再生のための戦略に向けて」が閣議決定され、5項目の戦略が定められた。なかでも、「革新的エネルギー・環境戦略」「空洞化防止・海外市場開拓」に注目すべきだとレクチャーするのは、NTTデータ経営研究所社会・環境戦略コンサルティング本部のシニアコンサルタント、東信太郎さん。グリーンテクノロジーの海外展開こそが日本の成長のために重要な施策だと考えている。

「弊社では、環境省の支援を得ながら、中国・天津市における廃プラスチックのマテリアルリサイクル事業の実現可能性を『官民コンソーシアム方式』で調査しています。ただ調査するだけではなく、最終的には天津市に一大リサイクル産業の集約地を誕生させることが目的です」と言う東さん。シナリオはこうだ。現在、天津市などの出資によって、天津子牙循環経済産業区というリサイクル団地の整備が進められている。そこに、日中合弁企業によるプラスチックのマテリアルリサイクルを行うモデル工場を建設する。さらに、天津市内の廃プラスチック関連企業や日系テナント企業を産業区に誘致・集約させ、工業団地へと発展させるというもの。

「経済成長で資源不足が予想される中国では、環境配慮型の持続可能な産業モデルへのシフトも進んでいます。そこに、日本企業の3R分野の技術や事業ノウハウを活用するチャンスがあるのです」

 また、ケニアでは、「二国間クレジット制度」の実現の可能性を探る。日本の低炭素化技術を途上国へ移転することでCO2を削減し、クレジットを二国間で分配する二国間クレジットを対象としたNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)のプロジェクトで、調査対象は、無電化地域にあるホテル、ムパタ・サファリ・クラブ。ディーゼル発電機を使っているホテルに太陽光などの再生可能エネルギーや、蓄電池、省エネ機器を導入してCO2を削減し、ケニアと日本の二国間クレジットの成立可能性を調査するのが目的だ。「1軒の削減量は少なくとも、無電化地域にある他の宿泊施設に展開できれば相当の量になります」と意気込みを語りつつ、東さんは発表を終えた。

 その後、ソトコト編集長の指出一正から、「第7回ロハスデザイン大賞2012」についての説明が行われた。今回の開催テーマは「ソーシャル・デザイン(仮称)」。新しい世代が求める「つながり」と「信頼価値」という観点から選ばれる「ヒト・モノ・コト」のエントリーを募った。

右上/中国・天津市のリサイクル事業への参入を図るための調査を実施。左上/東京ミッドタウンの「d-labo」で開催。右下/発表を行った東さんは元ソトコト広告部の社員。左下/「第7回ロハスデザイン大賞2012」のテーマを発表するソトコト編集長の指出。


今月のDATA
2050年、日本の人口は1億人程度に減少!

食品アレルギーの対応食がある避難所は2%。
「インフラ輸出がなぜ必要か?」という課題の答えのひとつとして、東さんは「日本の人口減」を挙げる。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口によれば、2050年には9200万人から1億1000万人に、さらに、少子高齢化がますます進むことで2.8人に1人が65歳以上の高齢者となると予測されている。「国内市場は9〜23%縮小する可能性があります」と言う東さん。一方で、「経済成長が著しい中国やインド、ブラジルといった新興国の国々へのインフラ輸出が欧米諸国によって推し進められています。日本も官民一体となって、必要とされる技術やインフラのニーズを見極めつつ、インフラ輸出に取り組むべきです」と語った。


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